G-THANKSプロジェクト
ガス事業者は、エンドユーザーが安全にガスを使用できるよう4年に1度「ガス設備定期保安検査」を行うことが法律で定められている。本プロジェクトは検査日時のオンライン予約受付システムを開発し、ガス事業者とエンドユーザー双方の利便性を高めることを目的に始動した。 ※所属や担当業務など、以下に記載の内容は取材当時のものです。
MEMBER
-
本間 孝二
ソリューション営業部 部長
本プロジェクトの担当業務 :
営業 -
富樫 隼
Webシステム部 係長
システムエンジニア
本プロジェクトの担当業務 :
メインSE
課題・ミッション
- ガス設備の定期保安検査の予約受付に手間と時間がかかっていた
- エンドユーザーにもガス事業者にも利便性の高いオンライン予約受付システムを作りたい
工夫したポイント
- どなたでも使いやすいシンプルな機能
- ガス事業者が導入しやすいSaaS型サービス

Talk Session : 1
面倒なガス点検予約をオンライン化。全国にも広めたい!
- 本間:
- このプロジェクトはもともと新潟市にある蒲原ガス株式会社様の依頼がきっかけでした。ガス設備は4年に1度点検することが法律で定められていて、「〇月〇日に伺います」と書かれたハガキやチラシがポストに入っていたりすると思います。
- 富樫:
- その日の都合が悪ければガス業者に電話などで連絡しないといけなかったり、面倒ですよね。
- 本間:
- 蒲原ガス様のエリアでは3年ほど前からグローバルネットコアで作ったオンライン予約受付システムを導入していただいていました。担当者の方に「Webから予約ができるようになって、一般家庭のお客様に特に重宝されている。他のガス事業者に横展開したらどうですか」と言っていただいたのが始まりでした。
- 富樫:
- 私はSEとして開発に携わったので、横展開するにあたり、どのガス事業者でも使いやすいように仕組みを少し作り変える作業をしました。
- 本間:
- そもそも、蒲原ガスの担当者様がすごく情熱ある人だったね。
- 富樫:
- そうですよね。最初に導入していただいた時点で「いつか全国に普及させたい」と。
- 本間:
- システムを横展開するにあたり、蒲原ガス様には業界の事情を踏まえた相場感について相談に乗っていただいたり、ガス事業者様を紹介したりしていただきました。「G-THANKS」という名前は、全国に横展開するにあたってサービス名をつけようということで考えました。
- 富樫:
- 頭の「G」はガスやグローバルネットコアの「G」。「THANKS」は「定期保安検査」をローマ字化した「TEIKIHOANKENSA」のアルファベットを拾ったんですよね。
- 本間:
- 「あれ、なんか上手いことできたじゃん!」って。そんなノリで付けました(笑)。


Talk Session : 2
従来の予約システムの課題を解決したG-THANKS
- 本間:
- 蒲原ガス様はWebサイト制作やサーバー契約などで長くお付き合いをさせてもらっていました。その中で「ガス定期保安検査の受付システムを作りましょう」と。
- 富樫:
- ガス点検のオンライン予約自体は、少しずつ普及していたんですよね。けど改めて問題点を洗い出してみると、エンドユーザーが予約した後、実際に訪問する検査員を調整・手配するのに時間と手間がかかっていたことが分かりました。
- 本間:
- 仮予約はオンラインでできるけど、確定日時は「折り返しご連絡します」と。グローバルネットコアのシステムはその課題を解決して、エンドユーザーと検査員の予定を一度に確定できるのが強みです。仕組みとしては、あらかじめ検査員が予定を登録しておき、マッチする日時にエンドユーザーが予約を入れる。だからドンピシャで決められるんですよね。開発での苦労はあった?
- 富樫:
- 技術的な難しさはあまりなくて、むしろ余計な仕組みを入れないという思想を大事にしました。発注者側としては利便性向上のためにいろんな機能を入れたくなると思うのですが、まずは一番の課題をクリアできる作りが大事だろうと。
- 本間:
- システムを使うエンドユーザーの中には年配者もいるし、検査員も高齢の方が多いという話だったしね。
- 富樫:
- そうです。できるだけ単純な操作で、2〜3回程度のタップで完了できるシンプルさを目指しました。
- 本間:
- 蒲原ガス様では導入前と比べて予約数が3倍に増えたそうで、G-THANKSとして横展開をしたガス業者さんでも近しい数値は出てくると思います。日時調整のための電話連絡もほぼなくなり、ガス事業者の負担軽減にもつながっていると思います。

Talk Session : 3
ほぼ初めての自社パッケージ商品。今後のモデルケースに
- 富樫:
- G-THANKSをセールス展開するにあたり苦労したのは、蒲原ガス様以外の事業者とのつながりがほぼなかったこと。その点も蒲原ガス様にすごく協力していただいて、ガス事業者様を紹介していただいたり、ガス業界の展示会やセミナーに共同で出させてもらったりしています。展示会はメーターやマンホールなどのモノを展示しているところがほとんどで、システム系の会社は少なかったですね。
- 本間:
- 業界新聞にも掲載してもらって、「見ましたよ」という反響が増えています。展示会が北は北海道、南は博多まで1年に4カ所ずつあって、2年連続で合計8カ所回りました。グローバルネットコアは遠方の出張があまりないので「あちこち行けていいね」と社内でうらやましがられてます(笑)。
- 富樫:
- ガス業界のDX化はまだまだ進める余地があります。今回は1つの予約受付システムですが、どんどんつながりができて実績ができれば、また別のシステムを開発してサービス化できる可能性もあると思います。
- 本間:
- そうですね。業界のDX化がまだあまり進んでいないということで、G-THANKSは導入しやすいようシステムとサーバーがセットになった「SaaS型」にしました。システムを開発して、それを動かすためのサーバーを買うとなると数百万円もの費用がかかりますが、SaaS型のG-THANKSは40万円ほどの初期費用プラス月々の利用料。バージョンアップもこちらにおまかせいただけます。
- 富樫:
- そのあたりの導入のしやすさもこだわったポイントですよね。会社としてもG-THANKSを確実に前進させるために、メンバーを増やして力を入れてやっていこうとしています。
- 本間:
- グローバルネットコアは横展開できるパッケージ商品がほとんどなかったから、G-THANKSが一つのモデルケースになっていると思います。スタートはお客様からのご助言。「他のガス事業者に広めてみては」と言っていただけるような信頼関係を築けていることがうれしいですね。
- 富樫:
- 同感です。蒲原ガスの担当者様はシステムに関しても知識がある一方で、「これでエンドユーザーと全国のガス事業者が幸せになる」とずっと言ってくださっていました。人を幸せにするには何ができるか、というのをいつも考えている人なんですよね。そのことも含めて得難い経験だったので、G-THANKSを全国に展開できるよう頑張っていきたいと思います。
プロジェクトの成果
- 蒲原ガス様では予約受付数が3倍にアップ
- 全国のガス事業者との契約や問い合わせも増加している